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計測による支援-1 集塵機ファンのインバータを運用改善

木材プレカット工場で木材を切ったときに発生する大量の大鋸屑は集塵パイプの吸込み口から吸い込まれる。1台の集塵機ファンの吸込みダクトにはたこ足状に多くのパイプがつながっている。集塵機ファンにはインバータが設置されているが、電力削減の余地があった。集塵機ファンのインバータは吸込静圧によって制御しているので、静圧の設定値とインバータ周波数の見直しによって電力量を削減した。

集塵システムフロー

計測による支援-1 集塵機ファンのインバータを運用改善

工場の集塵システムを図1に示す。木材加工機毎に大鋸屑を吸い込むダクトがあり、先端には未使用時に閉止するダンパーが設置されている。集塵システムは3系統あり、ファンの定格は55kW,45kW,37kWである。 集塵ファンは複数ある吸込み口から大鋸屑を吸い込んでいったんバッファにストックする。バッファにたまると移送ファンが3系統共通のサイロに圧送し満杯になるとトラックで再利用先へ搬送する。

省エネ課題への取組

計測による支援-1 集塵機ファンのインバータを運用改善

木材プレカットは複数の加工工場とラインで構成されており、平日はほぼ22時間連続稼働である。集塵システムが使用している電力量は全体の約40%で、電力量の削減と最大電力の低減対策が省エネテーマであった。省エネ診断をきっかけに対策に取り組むことになった。対策をディスカッションした結果、吸込静圧の設定値を2%緩和(吸込圧力を弱める)することと、インバータの制御範囲の下限値を10%引き下げる対策となった。対策の効果を確認するために、大鋸屑の吸込状況をライン担当者が確認しながら、集塵ファンの運転電流を一定期間計測記録することにした。

対策効果

計測による支援-1 集塵機ファンのインバータを運用改善

集塵ファンの運転制御設定値をデフォルト値で4日間運転してもらい、その後4日間は対策後の設定値で運転した。集塵ファンAの運転電流を図2.に示す。吸込静圧の緩和効果とインバータが対策前より低い周波数で運転していることが確認できた。また、ライン担当者より、大鋸屑の吸込状況に問題はない、とのことであった。計測データを確認したところ、電力量の削減は33,000kWh/年、削減金額は640千円/年の効果が見込める。

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